無料ポーカーアプリ・ポーカーソウルでよく見かけるリンパー(Bot除く)から伺える、カジュアルプレイヤー(ライトプレイヤー)の特徴を素人がまとめました。結構断定的な文章が多いですが、推測の域を出ません。
一応人間相手を想定していますが、もしかしたら人間と見せかけたBot攻略になっているかもしません。
- AOF:All-in Or Fold
- C-Bet:コンティニュエーションベット(Continuation Bet)
- IP:インポジション(In Position)
- OOP:アウトオブポジション(Out Of Position)
- スチール:Steal(スティール)
- VPIP:Voluntarily Put chips In Pot
この記事の目的
この記事ではポーカーソウルで見かけるリンパー(プリフロップでレイザーがいない中コールする人、オープンリンプ)の典型的特徴について記しています。
具体的には段位戦卓・練習試合卓での挙動を中心にまとめています。通常卓の低レート卓やその他アプリ(エムホールデムなど)で見かけるリンパーとはややタイプが異なるためご注意ください。
読者の対象は無料ポーカーアプリなど、カネを賭けない環境でポーカー(テキサスホールデム)を始めて、基本は座学で学んだという程度の初心~初級クラスを想定しています。
ポーカーソウルについて
ポーカーソウルは無料でも遊べるオンラインポーカーアプリ(ゲーム内課金はあり)。
深圳市全下科技有限公司(ShenZhen Quanxia, Inc.)が開発・リリース。
無料ながら日々コンテンツの改良が行われており、最近では日々の戦績が時間、日、月、年単位で見れるようになった。
他の人気無料ポーカーアプリ(エムホールデム、ポーカーチェイス)と比較して無駄な演出が少なく、1ハンドにかかる時間が平均的に短いのでサクサク打てると感じる。よく言われる難点としてはまだユーザーが少ないこと。もっと賑わったらファストフォールド卓がよりファストになるかも。
筆者について
腕については基本は押さえているという程度のライトプレーヤーです。
- ゲームとしての興味よりもほぼ100%カネ目的でポーカーを始めた不純(?)なパターン
- 最初は名著と言われる本から学び始めて(↓にある緑の本)、その後Poker Snowieで基礎を叩き込んだタイプ(期限切れたらライセンス延長しない予定)
- ポーカー系動画はYouTubeで原則海外動画しか観ないが、英語は雰囲気で聞き取っている程度の語学力しかない模様(それでも楽しめる)。国内の動画をあまり観ないのは、動画の内容がポーカーそのもの以外のところに焦点が当たってて参考にならなさそうという偏見から(笑)、その点海外のポーカー動画の大半はほぼプレイ内容に焦点が当たっている
- 「日本国内に定住してる限りはポーカーをプレイすることによるマネタイズはムリ」と察し、ポーカーを始めてちょうど1年で頓挫。アミューズメントポーカー施設にすら一度も行かずにポーカーを辞めようとしている模様
- 今後ポーカーについて詳しく勉強・訓練する気はないが、せっかく学んだので(初心者向けに)このような記事を作った経緯(ヒマなときに確率関連の記事も作成予定)
- あとこんなカネにならない題材の記事をプロやトッププレイヤーが書くわけないので、せっかくなので私もポーカー界の発展に寄与すべく書こうという経緯も(若干)ある
フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編 ノーリミットホールデムの戦略
【おさらい】そもそもなぜ「リンプイン」がよろしくないのか?
そもそもこの記事を読もうと思うくらいに勉強されている読者には説明不要な項目な気がするが、自身の復習を兼ねて書くことにした。
一言で表現すると、リンプインが良くない理由は「プレイの難易度を無駄に上げる」ことに繋がるため、というのが定性的な理由といえる。もう少し具体的に挙げていくと以下の通り。
【影響度:低】理由1:パッシブなプレイを余儀なくされる(チップを稼げない)
こんな展開滅多にない。……がPokerStarsのBIG GAME(高額キャッシュゲーム)において、かなりロックなアマチュアプレイヤー(元警察官)がJJでフロップクアッズに遭遇するという展開はあった。その時はプロ(77でツーペア)がリバーでオールインをかましたのだが、まさかアマチュアがJJを持ってるなんて思いもよらなかったと思う(JJ以外のペアを持ってて、自分より上のペアを持ってるアマチュアを降ろしにいったと思われるプレイ)。アマチュアプレイヤーは「Call.」と言うだけで10万ドル近いカネが入ってくる簡単なお仕事を完遂した(フロップでのスロープレイも含め、理想的なプレイだったと思う)。
例えばAAでリンプインし、フロップがAA2だったとする。フロップクアッズでショーダウンになればもうほぼ勝ち確定である(一応ストレートフラッシュに負けるという、マンガ的・演出的な負けパターンが存在するが、考えるだけ無駄なレベル)。
しかしこのように強烈にボードにヒットしてもリンプインという弱気な参加をしている手前、突然強く出たらフォールドされて終わるのが目に見えているためベット出来ない。ペアの人が他にもいることを願うばかりだが(22だと最高)、ペアを持っていればリンパーとは違ってプリフロップで高確率でオープンレイズしているはずである。
もちろんベットしてもいいが、フォールドされたらせっかくのプレミアムハンドなのにブラインド2名の1.5BBだけ稼いで終わりということになりかねない。
ベッドされた側も、「A持ってないし、1BBしか払ってないからもうフォールドでいいや」と軽くフォールドできる。2がヒットしていたら降りるのはトータル的にはマイナスなプレイだと思うが、普段パッシブなプレイをしている人がAA2のボードで突然ベットしてきたなら降りるという選択が最善と判断される。結局稼げない。
結局リンプイン→フロップでベット→勝利という結果は、オープンレイズ→全員フォールドでブラインドをスチールしたのと変わらないという事実に気づくと、リンプインによって相手に逆転させる権利をイタズラに与えただけということに気付かされる。
【影響度:中】理由2:ブラインドをスチールできない
レイズするだけで戦わずして1.5BBを獲得できる可能性がある。
これはAAという最強のハンドでもJToというそこそこ強い程度のハンドでもレイズすれば起こりうる。
しかしリンパーはJToでリンプイン、AAももちろんリンプインを選択するため、スチールは絶対に起こり得ない。ただしAAを持っているときに誰かがオープンレイズしたら、急に鬼の首を取ったように3Betを返すことが多いのは興味深い。
この手のタイプは、プレミアムハンドをプリフロップで終わらせるのがもったいないと思っているタイプに多いと考えている。
【影響度:中】理由3:主導権を握れない
プリフロップでBTN(プレイヤー10)がQToでレイズし、BB(プレイヤー3)がコール、フロップでヒットしなかったというよくある構図。しかし、BTNはここでC-Betを打つことでBBを降ろし簡単にポットをとれることがある。BB側はKより強いハンドを持っておらず、ノーヒットだった場合に降りるほうが最善なため。これだけドライなボードだとポットサイズの3分の1のベットでも十分だと思うが、Snowieは0.5ポットかポットサイズベットを推奨している
プリフロップでレイズしてないため、フロップでブラフ(C-Bet)打って終了の展開を作ることができない(作りづらい)。
相手(基本的にBB)はポットが小さいがゆえにリンパーのベットに容易に降りることができるし、ローペアで容易にコールすることもできる。
【影響度:中】理由4:大きいポットになりづらい
SB(プレイヤー1)でAKoをリンプインしたらフロップでAがヒットし、かなり勝てそうな展開。しかしこの時点でポットは2BBしかなく、仮に1BBベットしてコールしてもらえたとしてもポットサイズは4BBにしかならない。うち2BBは自分のチップなので、勝っても2BBということになる。ましてや降りられたらブラインドの1BBだけが利益になる。ちなみにこのシチュエーションにおいてSnowieは1ポットのベットを推奨している(0.5ポットベットも問題ない)。
最低だと2BBという小さいポットのままポストフロップに突入するため、互いに強くボードにヒットしない限りポットが大きくなりづらい。
また、相手(基本的にBB)はコストをかけずにフロップに参加しているため、ベットがきたときに何もヒットしていなければ容易に降りることができる。
リンパーは「ポットサイズ」や「オッズ」という概念を考えずにベットしているきらいがある(後述)ため、この事実になかなか気づけないと考えられる。
【影響度:高】理由5:期待勝率が下がる
UTG(プレイヤー5)がAAでリンプイン、BTN、SB、BBがコール・チェックで応戦して4人でポットを争うことになった例。ポーカーソウルの段位戦ではあまり起こりづらいパターンではあるがキャッシュゲームだと見かけるかもしれない(特にエムホールデム)。上画像のようなドライなボードだと多少はまだまだ勝算があるが果たして…
例えば6人テーブルにおいて、UTGでAAでリンプインしたとして…
- UTG:インポジションだし、このハンド(例:75s)で1BBでフロップが見れるならとりあえずコール
- SB:すでに0.5BB払っていて0.5BB足すだけでフロップを見れる、ポットはすでに3.5BBあってオッズは7:1だからとりあえずコール
- BB:正直ゴミハンドだがすでに1BB払っていて、チェックさえすればフロップが見れるのでチェック
となった場合、4人でフロップを見る展開になる。
この場合のAAのエクイティは約60.11%(75sとランダム2名で計算)と、AAというプレミアムハンドの割に4割の確率で誰かに負ける計算になる。せっかくのプレミアムハンドを「ちょっといい」程度のハンドにしてしまった。
ちなみにAA対ランダム1人だと、フロップが開く前の時点でのエクイティ(≒期待勝率)は85.2%。
もしフロップがこのようなウェットなボードになったら、UTGはもう諦めたほうが良いかもしれない。最低でも1人はフラッシュまたはフラッシュドロー、ストレートまたはオープンエンドストレートドローになっている可能性が高い。もしオープンレイズしていてBTNとのヘッズアップになっていたら、多少は勝算があったかもしれない(6や9などを含んだプレイヤーがコールしている確率は低いため)。なおEquilabによると、この状況におけるAdAhのエクイティは30.60%しかないとのこと。
無論レイズ(3BB)したとしても3人にコールされる可能性はもちろんあるのだが(エムホールデムが典型例)、リンプインよりそうなる確率は低いし、3BBで常にマルチになるなら4BB, 5BB…とオープンレイズのサイズを上げていく必要がある(そのあたりについて学習したい場合は下記本が一応オススメ)。
【影響度:高】理由6:プレイ難易度が上がる
理由5のつづき、UTG(プレイヤー5)でチェックしたらBTNが1BBのベット、SBがコール、さらにBBがポットサイズのレイズをして回ってきたという悪夢のようなパターン。せっかくのAAだがもう諦めないといけない。ちなみにSnowieはフォールドを推奨、レイズもコールも大エラーとのこと(最悪のプレイはコール)
上記理由5のパターンにおいてもそうだが、自分以外の3人とポットを争うことになるため難易度が上がる。しかもそのうち2人はブラインドのためハンドレンジが広い…というかランダムといって差し支えない。
フロップで自分以外の誰かがベットし、「よし、オーバーペアだからリレイズだ」と思った矢先に別のプレイヤーがリレイズしてきたら、AAはゴミハンド相手にもうすでにアンダードッグ側になっているかもしれない。
仮にBTN、SBがフォールドしたとしても、BBはチェックで参加できるため2.5BBを2人で争うことになる。
この時、やはりBBのハンドを全く絞ることができないのがリンプインの問題となる。この時ばかりはVPIPのデータすら全く参考にならない。
UTGでAAで参加し、BBがチェック、この時フロップで994のようなペアボード(しかもモノトーン)でBBがいきなりベット、UTGのリレイズにBBがリレイズオールインをしてきたら、AAはすでに負けているかもしれない(しかも92oのようなゴミハンド相手に)。
【影響度:極めて高】理由7:それほど強くないハンドを強く見せられない
段位戦攻略の記事で公開している、上級卓における(完全スチール狙いでない時の)BTNのオープンハンドレンジ例。A3oやJ9oといったハンドをAAであるかのように振る舞うには、AAをプレイする時と同じサイズのレイズを打つことが重要になる。そうすることでJ9oをあたかもプレミアムハンドのように装ってプレイすることが可能になり、C-Betやチェックレイズなど様々な戦略のバリエーションにつなぐことができる。
リンプインは強いハンドを弱く見せるプレイとしては有効かもしれない。ただスターティングハンドの大半は弱いかそれほど強くないハンドが大半のため、これらのハンドでポットを効率よく取るためには、弱いハンドはともかく、そこそこ強いハンドをいかに強く見せて勝つかが重要になってくる。
それにはオープンレイズが有効で、強いハンドでレイズ、強くないハンドも同額のレイズをすることで弱いハンドを強く見せることができ、結果的にスチールやフロップでヒットしなくてもC-Betだけでポットが取る、というようなプレイが可能になる。
リンプインはめったに来ない強いハンドを弱く(中くらいの強さに)見せるために弱いハンドを弱く、強いハンドも弱くプレイすることになり、セッション単位で考えるとポットを取る効率・勝算は大きく下がる。
参考までに、AAは221ハンドに1回(0.452%)、KKも221ハンドに1回(0.452%)、AKsに至っては約332ハンドに1回(0.302%)しか来ない。リンパーが好んで参加するポケットペア(AA-22)まで範囲を広げても17ハンドに1回(約5.88%)しか来ない。それらのハンドのためにそこそこ強いハンドを弱く見せるのはやはり非効率といえる。
結論:「セッション単位」で考えたらリンプインは強烈な悪手
リンパー(リンプイン)は、目の前の「その1ハンド」だけを考えてプレイしている可能性が高く、セッション全体(その日1日、または数百ハンド単位)で考えたプレイをすることに欠けている。
ファストフォールド制を採用しているポーカーソウルの段位戦卓や練習試合卓は、同じ人と卓を囲み続けるわけではないがゆえにある程度通用するかもしれない。
が、幸か不幸かポーカーソウルは常にそれほど人がいないため、ある程度のハンドをこなしたら各人の特徴をすぐ覚えられる(ましてやリンプインは印象的なのでなおさら)ので、ファストフォールド制といえどセッション全体を考えたプレイを行うことが重要と考える。
逆に、リンプインのメリットは?
ポーカーソウルでなく、エムホールデムで良く見かけるVPIP60%のスタッツの人が参加してそうな気がするハンドレンジ。これくらいのハンドを段位戦でリンプインしていれば相手はハンドを読むことが難しくなる。ただポーカーソウルはバイインできるスタックが結構小さいため、プレイするのは非常に難しいと考える(ポジションを1周するごとに入退場を繰り返さないといけないレベル)。逆にこのようなプレイヤーと遭遇した際は、ブラフを打たず基本バリューベットだけ打つことを心がければ基本収支プラスになると考える。
リンプインのメリットは、最低チップ量(1BB)でフロップを見に行けるという点がまず考えられる。無論これは、他者がレイズしなかった場合に限る。
とにかくポストフロップをプレイして、偶然ヒットしたような展開(基本的には手持ちのハンド2枚がヒットするツーペアかトリップス)において相手からチップをうまく獲得するプレイができるのであれば、リンプインが活かされる。できるのであれば。
例えば72oでリンプインして、フロップが72A(レインボー)、このとき相手がAを持っていて最後までトップペア止まりなら大きくポットがとれるかもしれない。
ゴミハンドで相手のスタックを全部奪えるかもしれないパターン。このような場合において、リンパーはターンでオールインしたりすることが多いと感じる。
また、全てのハンドでリンプインしている場合に限っては、相手にハンドを全く予想させられないというメリットがある。ブラフ能力を培えばもしかしたら「強いリンパー」が世界的に活躍……するかもしれない。
リンパーでポーカーを制したければ全ハンドリンプインが基本線と考える。ただ残念なことに、ポーカーソウルで見かける「典型的リンパー」はハンドを絞ってリンプインしている上に、VPIPがバッチリ公開されているため、このパターンに該当することはない(後述)。
【本題】ポーカーソウル(段位戦)における「典型的リンパー」の定義
ポーカーソウルのファストフォールド制(特に段位戦)のテーブルにおいて、オープンリンプしかしないプレイヤーの約7~8割はこのタイプに収まるんじゃないかという共通点が確認できた。
Botの通常卓のスタッツがVPIP約50%、勝率約20~22%という圧倒的共通点と同じくらいに(最近ちょっと性質の違うBotが入荷されているような感はあるが……)、リンパーのスタッツの大半がVPIP約22%前後、勝率約14%前後に集約されている。特にハンド数が多くなる段位戦卓の通算成績だと信用度は上がる。
検索中に見つけた「典型的リンパー」のまさに典型的スタッツ。もしこのプレイヤーが原則リンプインばかりしているのであれば、私の中では典型的リンパーのグループとして扱う。
それぞれの代表的な数値の22%・14%という数値を本記事では「典型的リンパー」として取り扱い、彼(彼女)らが多く採用するパターンについてまとめる。
以前段位戦でリンプインしかしてない印象のプレイヤーのスタッツ。これもまさに典型的リンパーの要件を満たしている。
【補足】VPIPと勝率の関係について
VPIPと勝率の関係から、そのプレイヤーがどのようなプレイヤーかがある程度想定することができる。
まず、VPIPが小さければ小さいほど勝率はVPIPに近い数値になる。基本的に強いハンドでのみプレイしているためバリューベットを打てる展開になりやすく、また対戦者が警戒して降りやすくなると考えられるため。
さらにブラフまで積極的に打つとVPIPが勝率を上回ることもある(BBのときにプリフロップで全員フォールドした場合、VPIPは上がらずに勝率だけ上がるというパターンがあるため)。
VPIP20~30%程度のプレイヤーは、ブラフも積極的に仕掛ける場合、勝率がVPIPの70~85%あたりになることが多い。勝てそうな時しかベットしてなかったとしても、VPIP22%程度参加しているなら16~17%の勝率は得られると考えられる(VPIPの約72~77%)。
しかしリンパーは例外で、勝率がVPIPに対して著しく割合が低いことが多い。まずプリフロップでスチールすることが原則ないリンパーは、ポストフロップで相手を下ろすかショーダウンを制さないと勝利にならないため。
22%ほど参加しているにも関わらず勝率は14%程度(VPIPの約64%)と低くなる。このスタッツで常にコール(リンプイン)している姿を確認しているなら、そのプレイヤーは「典型的リンパー」にカテゴライズしても良い。
もし「22%、14%」近辺のスタッツであるにも関わらず、いつもオープンレイズしている姿が確認できるプレイヤーがいた場合、そのプレイヤーは限りなく勝てる(勝ってそうな)時しかポストフロップでベットしてない可能性が高いと考える。レイザーにもかかわらずあまりにも勝率が低すぎるため。
【考察】「典型的リンパー」のスキル(知識)予想
ネットやAI相手にポーカーを打つと、ついつい相手の強さ(スキル)を考えずにプレイしがちになる。
ポーカーにおいて相手の強さ(プレイスタイル)に合わせて打ち方を変えることは非常に重要なため、本章では筆者が想定する「典型的リンパー」の平均的スキルについて予想した。
ハンドレンジについて
ポジションごとの参加ハンド:ほぼ一定(少し問題)
オープンレイザーがいるときのコールレンジ:若干絞ると思うがミスと判断されるコールをする(ここが問題)
典型的リンパーは、おそらくハンドレンジがポジションによって変化することを知らない、あるいは変化させられない。
「ドミネート」という概念は聞いたことあるかもしれないが、それを考えた上でハンドを絞ったりすることまではしていない(できない)可能性が高い。
典型的リンパーは、UTG(6人テーブル)でQ9oをコールするし、A5oもコールする。22や33は条件によって意見が変わると思うが、典型的リンパーにとってはプレミアムハンドそのものなので当然コールする。
もちろんオープンレイズに対するコールレンジも知らない(コレはある程度勉強した人にとっても難題ではあるが…)。オープンレイズや3Betが入っていようがなかろうがAToならコールするし、KJoだってもちろんコールする。
22もオープンレイズに対してもちろんコールする。場合によってはレイズもする(むしろレイズの選択を多く取っていると思われる)が、コレに関してはコールするより(ブラフ)レイズするほうがまだマシかもしれない。が、リレイズオールインされたときに22でコールしてしまうのは長い目でみたら強烈なブランダー(悪手)であることは間違いない(オールインした人がAKなら勝機ありだが…)。
オッズについて
典型的リンパーは、ベットサイズなどを相対的ではなく絶対値として見ているきらいを感じられる。
例えばポットサイズ4000に対し2000のベットがされた場合、コールする際のオッズはポット6000に対して2000のコール(=3:1)となるが、そのような考え方を持ってないのではないかと感じられる。
そのため、例えば4枚しかないアウツ(その4枚も果たして逆転できるかは不明)で3:1や2:1のオッズに対してコールすることが多い。
となると彼らはインプライドオッズを理解した上でコール……しているわけがない。典型的リンパーはナッツかそれに準ずる手ができたと感じた時、相手のハンドがなんだろうが関係なく強いベットおよびオールインをかます傾向があるため、インプライドオッズを計算した上でアクションしているとは思いづらい(強いハンドで強くベットする点に関しては何も問題はないが…)。
というより「インプライドオッズ」という概念は流石に知らない可能性が高い。
という筆者もコールがオッズに見合わないベットに対してインプライドオッズうんぬんを考えずにコールすることはあるのだが…(「これフォールドしたらSnowieがエラーって言うんだよな」みたいなけしからん理由で^^;)
その他+結論
ポジションに関して、ボタンが一番良いポジションというのは知っていると思うし、ブラインド(SB、BB)がポストフロップで不利というのも分かっていると思うが、それに合わせたハンドレンジまで考えているかは微妙。このシチュエーションでそのハンドで参加する?というハンドをたまにショーダウンで見かけるため。
しかしVPIP20%台前半という参加率が示す限り、参加ハンドは基本は真っ当なものが多く、弱いハンドはフォールドしていることが見受けられる。ここはエムホールデムのランクマッチの平均的なリンパーと強烈な差がある。
そもそもリンプインであることや、他者のレイズに対するコールレンジなどにやや問題(ミスプレイ)が見受けられるため、そこを突くと比較的楽にエクスプロイトできると考えるが、リンパーにはリンパーのノウハウがあると思われるため、あまり舐めてかかったら痛い目に合う可能性がある。
【考察】「典型的リンパー」が好んでリンプインするスターティングハンド予想
典型的リンパーは、強いハンドを(彼・彼女らの頭のなかでは)あえてコールすることで手を読みにくくしているつもりかもしれないが、VPIP(と勝率)が筒抜けであるがゆえにハンドレンジについては大方予想ができてしまう。
Bot相手にAOFをし続ける検証をして30%以上あったVPIPが20%を切ったアホみたいな例外プレイヤー(その成果(笑)はコチラ(別記事)で確認できる)は典型的リンパーにいないと考えられるため、基本的に参加ハンドレンジは常に一定と思っていい(キレてるときは除く)。
本章では、典型的リンパーがこぞってコールすると思われるハンド、またレイズに対する反応について考察した。
【参加確率:極めて高】ポケットペア(5.88%)
ポケットペアは典型的リンパーにとってはまさに待ち望んだプレミアムハンド。仮に22であってもペアはペアなので間違いなく参加すると考えられる。
そして典型的リンパーの最大の特徴とも言えるのがこのポケットペアの使い方で、他者のレイズに対して3Betを返すタイプのリンパーは、AA~22まで全てのハンドでレイズに対してリレイズを返している可能性が高い。しかも基本的にポットサイズレイズのため、この部分だけを切り取ると上手なブラフレイズ、およびバリューレイズとなる。
「リンプレイズ」と呼ばれるこの手法は、誰かが入れ知恵をしているのではないかと思うくらい典型的リンパーから見かける。ちなみにBotもよくする。
…私の邪推では、典型的リンパーはAAから22まで全てのハンドにおける3Betを「バリューレイズ」と解釈してると想像する。実際バリューと言えそうなのはTT以上くらいで、それ以下のペアはブラフレイズというのが一般的だが、典型的リンパーにとっては22もおそらくバリュー3Betと思っているのではと考える。
相手のレイズに対してコール止めでフロップを見に行くタイプの人もいるが、「典型的リンパー」と定義するプレイヤーの大半はポケットペアはリレイズを返すと認識して損はない。
- 全ポケットペアでリレイズ
- 強いポケットペアでリレイズ、弱いペアはリンプコール
- リンプコール
概ね3パターンに分かれ、基本常に一定のプレイをしていると考えられるので、真剣にやるなら名前とIDをメモすると勝ちやすくなる。
【参加確率:極めて高~中】ブロードウェイハンド(ペア除く、12.07%)
T以上の2枚で構成されるブロードウェイハンドも、典型的リンパーにとっては魅力的なハンドに映ると考えられる(ペアは別項目で挙げているため今回は除いている)。例えレイザーがいても迷わずコールを選択するレンジに入っていると考えられる。
この中でも特に強いハンド…ATs+やAQo+あたりでは、自身のリンプイン後に相手がレイズしてきたらリレイズを返してくるリンパーもいる(リンプレイズ)。
PokerSnowieでは、6人テーブルのUTGにおいてJToやKToもフォールドを推奨するが、彼らはそんなこと知る由もない。どのポジションだろうとブロードウェイハンドはブロードウェイハンド、強いと考えるよりかは降りるのはもったいないという理由でコールを選択する。
ただ、比較的VPIPが低め(20%台かそれ以下)のリンパーは、ポジションに応じてはT絡みのオフスートハンドに関しては降りを選択しているかもしれない。
【参加確率:高】Axs(A9s~A2s、2.41%)
A9s-A2s
Aと同じスートの2枚構成ならフラッシュができたとき自分が一番強いフラッシュになる、と学んだ典型的リンパーはAxsが魅力的に映ると考える。
もちろん魅力的ではあるが、ライト3Betにも活用できるこれらのハンドをリンプインしかしないのであれば魅力は半減する。
【参加確率:低】Aハイ(A9o-A2o、7.24%)
VPIPの都合上、A9oからA2oのAハイ弱キッカーハンドの参加率は低め。
アーリーポジションがレイズしたらドミネートを避けるためフォールドするのが最適なこれらのハンドだが、A9o、A8oあたりでたまにコールするプレイヤーを見かける。
【参加確率:中~低】コネクター(T9s~43s、2.11%)
T9s, 98s, 87s, 76s, 65s, 54s, 43s(28コンボ)
最低でもストレートを狙っているリンパーはコネクターハンドを好んでプレイすると考える。
ファストフォールド制のため、オフスート(6.33%)は避け、スーテッド(2.11%)のみ参加してあわよくばフラッシュもという考えでプレイしている可能性が高い。オフスートまで参加していたらVPIPが22%では済まないと思われるため、VPIP30%前後のリンプインオンリーなプレイヤーを見つけたらオフスートもレンジを加えている可能性がある。
たまにレイズするとあっさり降りるリンパーがいるが、その時のハンドはコレか、このグループのオフスートなんじゃないかと考えている。
【参加確率:中~極めて低】その他のハンド
- Kハイ(かつスーテッドハンド)
- ワンギャッパー
- ツーギャッパー、スリーギャッパー(2枚を使ってストレートが構成できるハンド)
- エクイティ最低クラスのゴミハンド(72や2絡みのハンドなど)
- その他定義すらされないハンド(ハイカードが弱く、オフスートでギャップが4以上)
所詮カネを賭けない(無課金的な意味でもギャンブル的な意味でも)アミューズメントポーカーなのでどんなハンドで参加してきてもおかしくはないが、VPIPから考えるに上記のハンドでの参加確率はやや低いと考える。
あるとしたらKハイ(特にK9sはこの中では一番本命)、ワンギャッパーかつスーテッドハンドあたりは参加候補に入ると考えられる。
結論
以上から、典型的リンパーが好んでリンプインすると思われるハンドレンジを考察し、以下の4タイプを想定した:
タイプ1:典型的リンパーのまさに典型(22.47%)
22+, A2s+, KTs+, QTs+, JTs, T9s, 98s, 87s, 76s, 65s, 54s, 43s, ATo+, KTo+, QTo+, JTo(22.47%)
⇒とりあえずこれを基本軸に考えるのが無難。
タイプ2:Aハイ重視型(23.08%)
22+, A2s+, KTs+, QTs+, JTs, ATo+, A5o-A3o, KTo+, QTo+, JTo
⇒Aでのトップペアと5ハイストレート狙い。これでオープンレイザーがいたときにA5o以下は降りるとしたら、22%台に入ってくる。
Aハイを重視するタイプでもストレート狙い型(A5o-A2o)とキッカー重視型(A9o-A8o)で分かれそうではある。
タイプ3:ストレート重視の穴党型(22.17%)
22+, A2s+, K9s+, Q9s+, J9s+, T8s+, 97s+, 86s+, 75s+, 64s+, 53s+, 42s+, 32s, AJo+, KQo, QJo, JTo(294コンボ)
⇒勝てる自信のあるわかりやすい局面だけベットしていきたいタイプはこのようなフラッシュ、ストレート、セットになりやすいハンドを中心に参加すると考える。
なおUTGでこのハンドレンジを普通にレイズすると、わりと普通のプレイといえるかもしれない(ワンギャッパーはやりすぎな気がするが)。
タイプ4:フラッシュ重視型(23.08%)
22+, A2s+, K2s+, Q7s+, J8s+, T8s+, 97s+, 86s+, 75s+, 64s+, 53s+, 43s, 32s, AJo+, KQo
⇒オープンリンプできるならK2sでも参加するタイプ。ただ事前にレイズがあったら降りるというイメージ。
逆に参加しなさそうなハンド(63.95%)
K7s-K2s, Q8s-Q2s, J8s-J2s, T7s-T2s, 96s-92s, 85s-82s, 74s-72s, 63s-62s, 52s, K9o-K2o, Q9o-Q2o, J9o-J2o, T8o-T2o, 97o-92o, 86o-82o, 72o+, 62o+, 52o+, 42o+, 32o
VPIPが20%台前半という点を考えると、ワンギャッパーでもオフスートハンドはフォールド、Kハイのスーテッドもフォールド傾向と考える。もちろん絶対参加しないとは言い切れないため、そのあたりの微妙な線はプレイヤーごとの傾向を逐一把握する必要がある…がそこまでする必要があるかは不明。この記事の存在価値自体も不明である
リンパーなのにVPIP20%台というのは改めて考えて異例の数値だと、エムホールデムでの平均60%超えの雰囲気(個人的見解)を見てて感じる。(エムホールデムアンイストール済のため、最近の動向は不明)
【考察】対「典型的リンパー」基本プレイライン
こうすれば絶対勝てるというのはポーカーにおいてはありえないため、あくまで基本的なプレイラインということでざっくり考察した。
プリフロップ:「コール」はレイズと解釈してプレイ
プリフロップでの典型的リンパーのリンプインは、上述した通り通常のプレイヤーならレイズインするようなハンドでリンプインしている可能性が高い。
よって、もしレイズに対して3Betを返すようなハンド(例:AA-JJ、AKs-ATs、KQs、A5s-A3sなど)であればレイズでいいし(3BB、ポットサイズなどが挙げられる)、レイズに対してコールするようなハンド(例:AJo、55など)であれば典型的リンパーに続いてコールするのが最適と考える。参加ハンドの約25%をポケットペアで占めている典型的リンパーに対する応手としては悪くないと考える。
つまり、コールだけどレイズされたという解釈でプレイするのが典型的リンパーに対して最も有効な応手と考える。
マルチウェイになりややこしくなる可能性が高まることを見据えて、中途半端なハンドならあえてフォールドすることも視野にいれてもいいし、逆にリンパーの存在を無視するかのようにオープンレイズする手も悪くない。意外にもレイズに対してあっさり降りてくれることがある。おそらくそのような場合は87oとかA3oのようなハンドだったのかもしれない(少なくともペアではない)。
BTN(プレイヤー10)でKQoという、UTG(プレイヤー5)がリンプインしていなければ普通にオープンレイズという局面。ブラフレイズにも最適と言われがちなハンドでもあるため、このようなシチュエーションでは普通にレイズしていって問題ないと考える。結果的にUTGが降りてくれればそれはそれで儲けものだし、UTGコールでフロップに向かえば、リンパーをBBと思えばわりと普通の展開といえる。
レイズに対して典型的リンパーからリレイズ(リンプレイズ)が返ってきた場合のハンドレンジは、概ね以下のようなポケットペアやATs以上あたりが考えられ、実際ショーダウンになると以下のようなハンドであることが多い。ブロードウェイのスーテッドハンドやAXsのローキッカーも稀に見受けられる。
22+, ATs+(7.09%)
リンパーを無視してQToやKJoあたりでオープンレイズし、リンパーからリンプレイズを受けたなら、黙ってレイズ分だけ相手に明け渡してもいいかもしれない。やっと着たプレミアムハンドでプレイをしようとした最中のプリフロップでのフォールドに歯ぎしりしているかもしれない。もし本気でプレイするなら「レイズインできない割にリンプレイズを打ってくる天才プレイヤー」という欄に彼(彼女)の名前とIDを刻んでおこう。
リレイズするとき、考えた上での決断なのかわざとなのか5~7秒ほど時間を使ってからリレイズする例を見受けられる。もしかしてBot?と思うときがあるが、名前やID、そしてVPIP&勝率的にBotじゃなさそうと判断したときはさっさとレイズしろと思うこともあるがキレてはいけない。そもそも時間をかけて考える余地があるならオープンレイズしろやとキレてもいけない。実は普通にBotなのかもしれない。
フロップ:チェックレイズにはやや広めにフォールド
私の印象だと、彼らはとりあえずポケットペアならC-Betに対して全部リレイズしているんじゃないかと思うくらいリレイズ、チェックレイズが多い。なんならドンクベットさえ頻繁に行う(ポーカーソウルではリンパーか否かは関係なくドンクベット過多の傾向を感じる)。
典型的リンパーのドンクベットやリレイズは、基本的には「手が入りました」というサインと見て差し支えない。もちろん稀にAハイでやってくる可能性もあるかもしれないが、そういうことを頻繁にするのであればもうちょっと勝率が高いと考える。典型的リンパーのVPIPに対する勝率の低さはヒットしてなかったらC-Betに対してあっさりフォールドを選択しているがゆえの数値である(あとスチールできない点も)。
そのため、対典型的リンパーとのヘッズアップであれば、ノーヒットだったとしてもボードにAやKがあればC-Betを打ってもいいと思うし、AやKがなくてもC-Betを打ってもいいと考える。
上記画像からフロップに移り、KもQもヒットしなかったというよくありそうな局面。もしOOPのUTG(プレイヤー5)からドンクベットがきたらA, 9, 4のどれかがヒットしているかポケットペアの線でまず考える。セットについては、おそらくフロップでリンプコールでなくリンプレイズをしている可能性が高いため、確率は薄め。UTGチェックに対し、BTN(プレイヤー10)がC-Betを打ち、それに対してチェックレイズが返ってきた場合も同様の線で考える。この場合はフォールドで問題ない。
あまりにも自身のエクイティが低そう(≒ショーダウンになったときに勝ってる可能性が低そう)と判断したらチェックしてさっさとポットを明け渡してもいいと考える。ただ相手もヒットしてなければチェックを返してくるため、なんだかんだでリバーまで行き、そしてショーダウンということはしばしば起こる。
逆にトップヒットとなった場合の例。BTN(プレイヤー10)のバリューベットに対しUTG(プレイヤー5)のリンパーからリレイズが返ってきた場合も基本的には何かがヒットしたかポケットペアを基本線として考える。コールで問題ないが、この局面でSnowieは強気にレイズを推奨している(サイズはSnowie特有の0.25ポット)。たしかにこのようなシチュエーションのリリレイズで、UTGがそそくさと退散するパターンは実際に経験することが多い。さらに強いリレイズが返ってきたり、リレイズオールインがUTGから飛んできたら潔くポットを譲ろう(AA, KK, K9, 99, 44あたりと考えられる)。
ターン:典型的リンパーはチェックレイズがお好き
フロップで典型的リンパーからチェックレイズを受けた後のターンで、OOPの相手からまさかのチェックという衝撃(?)プレイをしばしば見受けられる。
フロップで相手のリレイズにコールを選択し、ターンでUTG(プレイヤー5)がチェックをしてBTN(プレイヤー10)に回ってきた局面。パッシブなリンパーでも基本的にはここで強く打ってくるケースが多いと感じる。ここでのチェックは完全に変調。Snowieはバリューというよりややブラフよりな0.5ポットサイズのベットを推奨しているが(チェックはエラーとのこと)、あくまでそれはSnowieが想定する、ちゃんとした(?)相手と対峙している際の最適プレイであることに気をつけたい。ここでは最悪チェックでも問題ないと考える。
めちゃくちゃおかしいというわけではないが、上画像で示したようなドライなフロップのボード(≒ストレートの線は薄いしフラッシュもできなさそう、せいぜいセットが関の山という感じのコミュニティカード)で、Kより弱いTがターンで出た(フラッシュは100%なくなった)にもかかわらずチェックは変調という他ない(今回の例だと、一応「QJでストレートになる」…という理由はあるが)。
もちろんいけないプレイというわけではないが、リンプインしたプレイヤーがフロップで突然強さを主張しておいてターンでチェックはもう理解できない。ハンドを読ませないという意味では成功しているかもしれない。
この場合、フロップではローペアでチェックレイズした可能性が一気に上がる。ここで強いベット(例えばポットサイズ)を打つと降りることが多いが、その場合はフロップのチェックレイズは、おそらくローペア(具体的には44を除く88以下)持ちでのフォールド期待のプレイだったのだろうと判断する。
だが、そうは典型的リンパーが卸さないと言わんばかりにベットに対してリレイズ…つまりチェックレイズを返してくることがある。
どれだけチェックレイズが好きなのかとツッコミたくなるが、その場合はやはりなんらかのペアを持っているかボードに強くヒットしている可能性が高い。もしこの時点で対抗できるだけのハンドを持ち合わせていなければフォールドするほうが吉と考える。
上の画像からBTN(プレイヤー10)が0.5ポットのベットをしたあと、UTG(プレイヤー5)がポットサイズのチェックレイズを返してきた局面。この時点で想定するのはAK, KT, K9, そしてセットを含む各種ポケットペアなど。QJもないとは言えないが、フロップでリレイズを返してくる可能性は低いと考える。なおSnowieはこの局面でフォールドか0.33ポットのリリレイズを半々で推奨しており、コールはエラーとのこと。何度も書くがSnowieのアドバイスは相手がまともに勉強しているプレイヤーであることが前提な点に注意したい。ポーカーソウルの対リンパー相手においてはフォールドが基本線で良いと考える。
ターンでオールインを仕掛けてくることも多い。オッズに合わないと思ったらフォールドで問題ない。基本的にはツーペア以上であることが多いが、衝撃のトップペアノーキッカーのパターンもある(が、これを期待してコールしないほうがいい)。特にドライなボードのときのターンオールインは予期せぬツーペアかセットを基本線に考えれば問題ない。
リバー:典型的リンパーからのリードベットはもうバリューベット
典型的リンパーがインポジション・アウトオブポジションにかかわらずベットしてきた……この場合はもうバリューベットだと判断して差し支えないと考える。
上の画像でチェックレイズにBTN(プレイヤー10)がコールしてリバーを迎え、UTG(プレイヤー5)が初めて自分からベットをしてきた局面(0.5ポット)。このような局面はさすがに負けてると判断するのが良いと考える。ここまでの一連の流れで想定できるハンドはAK, KT, K9など。QJも一応候補だがQJならオールインの可能性が高い(ターンでも同様)。AA, KK, TT, 99, 44は上述の通りリンプレイズしている可能性が高いため少し薄い。K4sはさすがにプリフロップでのBTNのレイズでフォールドを選択すると思うので除外。もしK4sだと逆にオールインをターンあたりで仕掛けてくることが多い気はする。間違ってもストレートを装ってリレイズオールインなどをしては絶対にいけない。
ただし、必ずしもナッツとはいえない。例えば理論上フルハウスができるボード(=ペアボード)で、典型的リンパーがストレートを完成させていたら打ってくる可能性が高いし、セット(スリーカード)でも打ってくることが多い。フラッシュの可能性がある時にストレートを完成させていたらやっぱり打ってくることが多い。
このあたりは最適解を追求すると終わりがない上に、筆者がポストフロップについて詳しく解説できるだけのスキルを持ってないので特徴を列挙するだけにしたいが、ただ確実に言えることは
リンパーの
リバーのベットは
ほぼバリュー
という点(教訓的一句)。Aハイでピュアブラフのポットベットを打ってくるなんてことはほぼないと思っていい(もしピュアブラフを打って勝ったら喜んで晒してくると邪推する)。
ベットサイズはハーフサイズからポット、そしてオールインと様々。もしあまりに安いサイズだったらツーペアでもコールする価値はあると思うが、典型的リンパーのVPIPに対する勝率の低さを考えると、最低でもTPTKやツーペアあたりでベットしている可能性(ショーダウンバリューが高いハンドでのバリューベット)が高いと考える。
典型的リンパーの典型的プレイ集(予定)
あまり履歴を保存してなかったので気が向いた時に追加予定。 …だったが、更新されないかもしれない。(5/24)ポーカーソウルのアカウントを削除したため、これ以上の更新はありません
ケース1:プレミアムハンドでリンプイン、そしてチェックレイズ×2の典型的プレイ
SB対BBのよくあるブラインドバトルにて。動画で残していたものを切り取って公開。名前を残してなかったが、たしかBotではなく、スタッツも典型的リンパーだったと記憶。練習試合の500/1000の卓でSBがコンプリート(コール)、BBでK5oでチェック。ファストフォールド卓ということもあり、もしSBが3BB(3000)にレイズしていたら降りていた局面。
フロップで幸運にもトリップスになり、限りなく必勝に近い展開。相手がチェックだったため、とりあえず0.5ポット(1000)のベット、するとSBがポットサイズのリレイズ(5000)を返してきた局面。
この時点でSBのハンドとして考えられるのは、何らかのペア、5絡みの何か、そしてフラッシュドローなど。一応ストレードドローも考えられるが、レイズするくらいだったら76くらいしか考えられない。とりあえずここからBBがさらに9000(9BB)にリリレイズ、SBコールでターンへ。
ターンでSBがチェック。これはBBがリリレイズしたこともあり、それほどおかしくはないと考える。そこにBBがフラッシュドローに対してオッズに合わないポットサイズ(20000)のベットをリード。
SBがまたしても0.5ポット(50000)のリレイズ。オールインでなく微妙にスタックを残しているところが趣深い。しかし完全にコミットしており、リバーで何が出ようとオールインしてくると思われる。
このような手(ちょっとスタック残してレイズ)は、「めちゃくちゃ強い手が入っているが、オールインしたらビビって降りられるかもしれないから、スタックを少し残して『レイズ』という形でポットを大きくしよう」という意図で用いられたりする。そしてその意図を組んでくれた相手が降りてくれればラッキーという感じで打つ。
これでフロップ・ターンと2回連続でチェックレイズとなる。このプレイが正当化されるとしたらQQ, 88, A5、そしてナッツフラッシュドロー(クラブのAXs)などあたりかと思うが、リンパーに対して深く考えたら負けなので、もしかしたらQQで負けてるかな?と思いつつオールインを強要するリリレイズを返してSBがコール。
ペアはペアでもKKのオーバーペアだった。自分がKを持っているため、KKはわずか3コンボだがその3コンボを持っていた模様。
SBサイドはおそらくBB側がフラッシュドローか何かと思ってのプレイだったのかもしれないが、もしそうならターンはBBのベットにコールで済ませておいて、リバーでクラブが出なかったところを確認してからベット(オールイン)したほうが良いのではと感じた。
…と同時に、異様なまでのチェックレイズ連発は「チェックレイズしたら降りる(勝てる)」というような文をどこかで読んだとかそういう類ではないかとも疑っている。
あとKK対K5oのプリフロップ時点でのエクイティはKKが93.31%と圧倒的ドミネート状態なのであるが、K5oが6.69%を引いたという貴重なシーンでもあった模様。ただ私は今回に関してはSBがKKでリンプインしたことによって生じてしまった展開のため、これはバットビートの範疇に入らないのでは?と内心思っている。
ちなみに逆の立場だったら(SBでKKを持ってプレイするなら)、練習試合卓500/1000というテーブルという前提でもちろんプリフロップオールインである(笑) コールされたら負けていたことになるが、さすがにK5oでは降りていると思われる。
さいごに
ポーカーをプレイする限り、基本的には「たくさん勝ちたい」「もっと強くなりたい」と思うのが普通だと思います。そして強い人のプレイや本などを読み基本的なパターンを学び、実践します。オープンレイズは「勝つため」の基本動作であり、「強くなりたい」人がプレイするいわば「定跡」です。
リンパーも人生で最低1回以上はオープンレイズについて聞いたり読んだりしたはずです。にもかかわらずリンプインし続ける姿は「勝ちたい」「強くなりたい」と思っているにもかかわらず実際は逆の行動を取りつづけている…と言わざるを得ません。どの世界にもこういう人っているんだよなぁということをマジマジと感じさせられます。
私は「テキサスホールデムにおける初心者脱出の基準は?」と聞かれたらわりと本気で「プリフロップでレイズできるようになった時点」だと思ってます。その理由は単純で、その時点(プリフロップ)ではプロと同等のプレイが出来ているからです。将棋も最初の数手に関しては定跡をなぞりさえすれば(その定跡の意図や理解度は関係なく)プロと同等のプレイができている…というのと一緒です。ポーカーの定跡はオープンレイズなのだと思います。
無論、実力者があえてリンプインしているなら話は別ですが…(将棋でいうと、プロならアマ相手に「最悪の初手」と言われがちな初手☗8六歩でも圧勝できる)
あとコレを最後に書くかとツッコまれるかもしれませんが、リンパーを「リンパー」と一括りにしてしまうのは危険で、人によって若干の違いがあります。その細かい差は実際にプレイして読み取っていくしかありませんので、なんでもかんでも「こいつは典型的リンパーだから…」と決めつけてプレイしないようお気をつけください。
「アミューズメントポーカーだし」という理由で、あえてリンプインしてハンドリーディングの練習をしている強者ももしかしたらいるかもしれません。
【余談】なぜリンパーは「リンパー」になってしまうのか(予想)
名著と言われている本、ポーカープロのプレイ動画、ポーカープロのブログ・動画、プレイヤーのブログ記事…どれを読んでも必ず書いています:
「プリフロップでオープンできるときはレイズで参加しましょう」
絶対に一度ならずとも何度も見て、読んで、聞いているはずなのになぜリンパーはリンプインするのかを考察しました。
「常識的な失敗体験」からレイズができなくなる
- AKでレイズしたらフロップで盛大に滑った。コールだったら1BBで済んだのに…
- AKでレイズしたらフロップで盛大に滑ったけど相手のベットにコールしてたら大負けした。レイズしてなければ相手のベットにコールしなかったのに…
- 中途半端なハンドでレイズしたらリレイズが着た。ブラフと思って4BetしたらオールインがきたからコールしたらAAだった、レイズなんてするんじゃなかった
などをはじめの頃に繰り返し経験し、レイズ=損という固定観念がついてしまったのかもしれません。
「悪しき成功体験」からレイズしなくても良いと考える
- トップペアトップキッカー相手にオーバーペアで相手のスタック全部奪ってやった。オレって才能アリ?(笑)
- AKでリンプインしたら盛大に滑って、たった1BBの損失で済んだ。コレが損小利大ってヤツだネ(笑)
などをはじめの頃に繰り返し経験し、リンプイン=得という固定観念がついてしまったのかもしれません。
そもそも「トップペア相手にオーバーペアでスタック全部奪う」は対初心者だから通用する(した)手です。
そのレベルのプレイヤーしかいないテーブル(≒無料ポーカーアプリ、プレイマネー卓)でのプレイしかしないと決め打ちしている場合はそれでいいかもしれませんが…
「あえてウラを書いている」という誤認識 他
- 誰しもがレイズするんだったらリンプインしたら裏をかけるのでは? ←リンプインのデメリットを知らない
- もう何万ハンドと繰り返しプレイして経験豊富だからリンプインで問題ない ←バッドプレイを何万ハンドと繰り返していても上達はない
- 自分は周りより優れている人間だからリンプインでいい ←たまたま上振れて勝ち続けた翌日の思想、もしくは選民思想的観念を持っている
- 自分は相手のアクションでハンドを読む能力に長けてるからリンプインでいい ←カジノに行って現実を見よう
というような考えに行き着いてしまったのかもしれません。
リンプインしたら裏をかけるのであれば、そういうプロの動画が多少は横行すると思いますが…。
【超初心者向け】サイト内で出てくるポーカー用語索引
※思ったより多かったので作成中です
ポーカー用語集
- 3bet(スリーベット)
- プリフロップで誰かのレイズに対してさらにレイズすること。リレイズとも呼ばれる。「2bet」でないのは、ブラインドが既に払っているのが最初のベットという考え方のため。
- 4bet(フォーベット)
- 3betに対してさらにレイズすること。リリレイズとも呼ばれる。それ以降も5bet, 6bet...も(理論上)ある。
- AOF(All-in of Fold)
- プリフロップでオールインかフォールドの2択でプレイすること。トーナメントの終盤でよく用いられる。
- BB
- ビッグブラインド(Big Blind)のこと。プリフロップではプレイ前にチップを支払う必要がある反面、最後にアクションできる。またBBが支払うチップの量(単位)のことを1BBと呼ぶ。
- BTN
- ボタン(button)の略称で、一番良いポジションとされている。プリフロップでは(チップを支払わない中では)一番最後にアクションでき、ポストフロップ以降は常に一番いいポジション(=インポジション)でプレイできる。BTNが誰かわかるように設置する置物を「ディーラーボタン」という模様(Amazonでも絶賛発売中)、おしゃれな文鎮代わりにもなる。
- C-Bet(Continuation Bet)
- プリフロップで(最後に)レイズしたプレイヤーが、フロップで引き続き強さを主張するべくベットすること。CBと表記する場合もある。
- CO
- カットオフ(Cut Off)の略称で、BTNの前にアクションする比較的良いポジション。BTNが降りればポストフロップ以降インポジションになる。
- HJ
- ハイジャック(Hijack)の略称で、UTGの次にアクションする。6人テーブルなら2人目のアクションになるため、そこそこ強い手で参加することが必要とされる。
- IP(In Positon)
- ポストフロップで一番最後にアクションできるポジションのこと。相手のアクションを見てから自分のアクションを判断できる有利なポジション。
- OOP(Out Of Position)
- ポストフロップで先にアクションを強いられるポジションのこと。
- Poker Snowie
- ポーカー学習ソフト。扱いやすさがウリ。使い始めると意外とポストフロップ以降チェック推奨なシーンが多いこと、初期設定の最小ベットがポットの4分の1なこと(反面アグレッシブさが増えたらしい)、ヘッズアップではなんでもかんでもベットしてるように見えるなど、いろいろ多くのことが学べる。将棋、チェス、囲碁、バックギャモンなどあらゆるAIソフトは人間を上回っていると言われて異存はなくなったが、ことポーカーに関してはまだそれが全プレイヤーの総意ではない模様。
- SB
- スモールブラインド(Small Blind)の略称で、ポストフロップでOOP確定の一番悪い(稼ぎづらい)ポジションとされている。プリフロップでの支払いはBBの半分というテーブルが大半。
- UTG
- アンダーザガン(Under The Gun)の略称で、プリフロップで一番最初にアクションを強いられるポジション。UTGから始まるため、全員の視線がUTGに注がれる様を「銃口を向けられる(under the gun)」状態に例えられて名付けられているらしい。状況の不利さ(ポジションの悪さ)も表現されている模様。
- VPIP(Voluntarily Put chips In Pot)
- 自発的にポットにチップを入れること。その割合をVPIP率と言ったりそのままVPIPという場合もある。基本的にはプリフロップでコール以上のアクションをした場合カウントされるが、BBでチェックでフロップに進んだ場合、ポストフロップでベット・レイズ・コールを行ったらカウントする(模様)。
- アクション
- ベット、レイズ、コール、チェック、フォールドの総称。
- アンティ(ANTE)
- ハンドが配られる前に全参加者が一様に支払うチップのこと。
- エクイティ(Equity)
- 現状でショーダウンした場合に、すべての可能性(パターン)を鑑みた際の期待勝率。例えばAA対72oのAA側のプリフロップ時点でのエクイティは88.2%だが、5枚のコミュニティカード次第で11.8%の負けパターンを引くこともあるということになる(例:ボードにAが落ちずに7と2が落ちてツーペアに負けるなど)。勝ち確定だと100%になる。
- エニハン(Any Hand)
- エニーハンドの略で、「すべてのハンド」の意味。「エニハンオールイン」だとすべてのハンドでオールインするという意味になる。
- オープンエンドストレートドロー(OESD)
- 2種類の数字のどちらかがヒットすればストレートになるという状態。例えばボードとハンドで4567と揃っている場合、3と8のオープンエンドストレートドローとなる。一方64と持っていてボードに852と落ちた場合3か7でストレートになるが、コレはOESDではなく「ダブルベリーバスター(Double Belly Buster)」と呼ばれている。ストレートになる数字が1種類だけのときは「ガットショットストレートドロー(GSSD)」と呼ばれているがあえて全部覚える必要はない(ただ知ってると会話をする上で話が進みやすい)。
- オープンハンドレンジ
- プリフロップでブラインドを除いて誰も参加(レイズ、コール)してないときに参加するハンドのレンジ。最初に覚えたい基本戦略知識。
- オープンレイズ
- プリフロップでブラインドを除いて誰も参加(レイズ、コール)してないときにレイズで参加すること。最初に覚えたい基本プレイ。(私は)コレがちゃんとできるようになったら初心者卒業と言ってもいいと思うくらい基本だと思っている。
- オールイン
- 手持ちのチップをすべてポットに入れる行為。利益も損失も最大になる。
- 落ちる
- ボードに自分、または相手の都合の良いカードが出現することをよく「落ちる」と表現されている。単に新しいカードが登場しただけでも落ちると言うこともある(気がする)。「引く」も同じような意味。
- クアッズ
- フォーカードのこと。国内では(ポーカーを趣味にしている人以外に)通じず、海外では「フォーカード」が通じない模様。
- コールレンジ
- (基本的には)プリフロップでレイザーがいる場合にコールするレンジ。通常同じポジションのオープンハンドレンジより狭くなる。
- ゴミハンド
- エクイティが低いとされるハンドのこと。「ペアでない」・「ハイカードが弱い」・「4以上のギャップがある」・「スーテッドでない」などの弱い条件をすべてを満たしたハンド(典型的な例:72o)。「クズハンド」「(単に)ゴミ」など呼び方は人によってそれぞれ。
- スーテッド(Suited)
- 手持ちの2枚のハンドのスートが揃っていること。揃ってない場合はオフスートやオフスーテッドと呼ばれる。オフスートよりフラッシュ完成率が高い。
- スート
- スペード、ハート、ダイヤ、クラブの総称。
- スターティングハンド
- プリフロップ時に配られる2枚の手持ちのカードのこと。
- スタック
- テーブルに持ち込んだ手持ちのチップの総量のこと。
- スチール(Steal)
- プリフロップでブラインドを奪う目的でレイズする戦略のこと。スティールとも表記される。
- スリー・オブ・ア・カインド(Three of a kind)
- スリーカードのこと。クアッズと同様国内では(ポーカーを趣味にしている人以外に)通じず、海外では「スリーカード」が通じない模様。出来方によって「セット」と「トリップス」に分かれ、むしろこの2つの用語のほうがよく使う。そういえばボードに3枚同じカードが落ちた場合のスリーカードは何というか聞いたことない。
- スロープレイ
- 強い役が出来上がっているがベットせず、相手からのベットを引き出す戦略のこと。なお、ショーダウン時や直前のアクションで勝ちとわかっていながらわざとゆっくりハンドをショーする(プレイする)行為は「スローロール」で混同しないように注意。スロープレイは戦略なのでいくらでもやっていいが、(特に海外において)スローロールは日本人の想像を超えて屈辱を与えるプレイとされており、しないことが推奨されている。
- セット
- ポケットペアを持っている時にボードにそのペアのカードが落ちてスリーカードになること。
- セミブラフ
- あと1枚ドローを引けば大物手になるというときにベットまたはレイズする戦略のこと。実際に引ければより大きいポットを獲得することができる上に、セミブラフで相手が降りてくれるかもしれないというメリットもある。
- ターン
- ポストフロップで4枚目のカードがボードに出現した時のベットラウンド。
- タイト
- ハンドレンジが狭く、強いとされるハンドでのみ参加するプレイスタイルのこと。
- ドミネート
- プリフロップの時点でエクイティが極端に低い、相手とのハンドの組み合わせのこと。具体的には1枚は同じ数字で、もう1枚が相手より劣っていると「ドミネートされている」と評される。例としてAQに対するAJなど(このときのAJのエクイティは26.89%と良いハンドのはずなのにエクイティが低い)。ペアも同様にドミネートと言われる(例:99に対する66など。この場合の66のエクイティは18.82%)。これを避けるためにプリフロップで序盤にアクションするプレイヤーはより強いハンドでのみ参加することが推奨されている(後ろに控えているプレイヤーが多ければ多いほどドミネートされる確率は上がるため)。「まさにドミネート」かつ現実的に起こりうる例がAAに対するA9oで、A9oのエクイティは6.22%と絶望的。
- トリップス
- ボードに同じ数字のカードが2枚落ちて手持ちのハンドと合わせてスリーカードになること。
- ドロー
- あと1枚(または2枚)都合の良いカードが来れば大物手(最低でもストレート)になるという状態のこと。ストレート、フラッシュでよく用いられる。
- ドンクベット
- プリフロップで相手のレイズにコールしたプレイヤーがフロップで先にベットする行為。上級者が意図を持って行う場合はともかく、初心者がやると基本的に愚かなアクションと称される。ドンクは「ロバ(Donkey)」のことで、いわゆる日本でいう「馬鹿」に通じる意味合いで用いられていることからも、「ドンクベット=馬鹿な・間抜けなベッド」という意味合いが伺える。某パン屋(D●NQ)は一切関係ない。
- ナッツ
- ボードに表示されたカードの組み合わせ上最強の手役のこと。最強の役が複数のスターティングハンドで組める場合、一番強いハンドだけが基本的にナッツと称すことが多い(例:ボードに3枚のスペードがある場合、Aを含むスーテッドハンドを「ナッツフラッシュ」と呼ぶ)。また、「限りなく現実的には最強」という場合でもナッツと言ったりする(例:スペードの357がボードにあるとき、スペードの6と4を持っていればストレートフラッシュで最強だが、Aを含むスーテッドハンドのことを「ナッツフラッシュ」と大抵の人は呼ぶ。
- バイイン
- テーブルにチップを持ち込むこと。基本的にはその量(≒バイイン額)を指す。
- バリューベット
- 現時点で勝ってる(エクイティが高い)と判断できる時にベットを行う行為。
- ハンド
- 2つの意味があり、手持ちの2枚のことを「ハンド」という場合と、プリフロップからリバーまでの一連の流れを「1ハンド」と称する場合の2パターンがある。
- ハンドリーディング
- これまでの相手の行動パターンから相手のハンドを読むこと。上級者はそれなりの確度で相手の手を読み当てると言われている。
- ハンドレンジ
- 参加するハンドのレンジ(範囲)のこと。ポジションや相手のアクション・傾向で若干変化する(させる)。
- ピュアブラフ
- (基本的にはリバーで)何の手も入ってない状態でベットし、バリューベットのように見せかけて相手のフォールドを誘う純粋なブラフ。相手を選んで行わないと無駄金(チップ)になるので注意。
- フォールド
- ポット獲得を諦めて降りる行為。迷ったらフォールド。
- ブラインド
- プリフロップ前に事前にチップを支払う必要のあるポジション(SB, BB)の総称。チップを払う必要がある反面、プリフロップでは終盤にアクションを行える特典がある。もしブラインドの概念がなかったらモンスターハンド以外フォールドしておけばいいだけの我慢大会になるため(=ゲームが成立しない)、強制的にチップを払う必要のあるポジションの存在は重要。
- ブラインドバトル
- SBとBBの2人でフロップに進む状態。BTNまでが全員降りると、既にチップを払っているがゆえに生じやすい。
- ブラフベット
- セミブラフ、ピュアブラフの総称。
- プリフロップ
- 参加者全員に手持ちの2枚が配られた時のベットラウンド。
- プレミアムハンド
- 勝率が高いとされている強いスターティングハンド。AA, KK, QQなどを指す。AKもプレミアムハンドに一応定義する場合が多い。
- ブロードウェイハンド
- T以上の数字で構成される2枚のハンドのこと。
- フロップ
- ポストフロップで1~3枚目のカードがボードに出現した時のベットラウンド。
- ベット
- 各ベットラウンド(フロップ、ターン、リバー)で一番最初にポットにチップを入れる行為。
- ボード
- 場に表示される全プレイヤー共通のカードのこと。「コミュニティカード」とも呼ばれる。
- ポケットペア
- スターティングハンドで既にワンペアになっているハンドのこと。
- ポジション
- ハンドが配られた後にアクションを行う順番のこと。後にアクションを行うほうが都合がよく、一番良いポジションはポストフロップで必ず最後にアクションを行えることが確定しているBTN。
- ポストフロップ
- フロップ、ターン、リバーの総称でプリフロップのアクションが終わった後のことを指す。
- ポット
- 全プレイヤーが1ハンド内でベットしたチップの総額のこと。
- ポットサイズレイズ
- 相手に1:2のポッドオッズを突きつけるレイズ。コールに必要な額+コールした時点でのポットサイズの合計額をレイズする。例えばポットに100で相手が50ベットした場合、50+(100+50+50)=250をレイズすることになる。
- マージナル
- 勝ってるか負けてるかギリギリというような状態のこと。中途半端な強さのハンドで参加したり、ボードのトップでないカードでペアになったとき(ミドルペア)などに生じる。ベットするのはリスキーだし相手のベットにコールし辛い局面。
- マイクロレート
- オンラインポーカーなどで、1BBあたり0.02$程度の極めて最小クラスのレートのこと。かつては(海外において)テレビの超高額テーブル番組などで触発された一切無勉のフィッシュ(カモ)が巣食うとされていたが、最近はソフトの普及などで簡単に学べるようになったおかげでそうでもないとか。
- マニアック
- 定石だと参加に値しないようなゴミハンドでも参加するVPIPが非常に高いプレイヤーのこと。どちらかというとチップを多く稼ぐことよりも勝つ回数を単純に増やしたいプレイヤーの行く末ともいえる。
- マルチウェイ
- 3人以上でポストフロップに進んだ状態。
- モンスターハンド
- (基本的に)ショーダウンしたら勝ってる可能性が限りなく高い強い役を作った時にモンスターハンドと称する。最低でもストレートくらいを指す。
- リバー
- ポストフロップで5枚目のカードがボードに出現した時のベットラウンド。ポットサイズベットやオールインなど派手なプレイが頻繁に登場する。
- リレイズ
- 相手のベット(オープンレイズ)に対してレイズする行為。
- リンパー
- プリフロップでレイズでなく基本コールで参加するプレイヤーのこと。直訳すると「弱気なプレイヤー」というような意味合いになるが、概ね初心者がよく行うため「リンプインする初心者」を揶揄していることが多い気がする(例:「所詮アイツはリンパーだし」というような使われ方をする)。
- リンプイン
- プリフロップで(BBに対して)コールで参加する(1BBでコールする)こと。安いコストでとりあえずフロップの3枚を見たいときに行われる。ローポケや2枚目が弱いAxsなどで用いられることが多いがそれを悟られる可能性が高く、基本的には損をする行為とされている。プレミアムハンドでリンプインするプレイヤーは無料アプリやマイクロレートでよく見受けられるが、これも「基本的」には損なプレイとされている。ヘッズアップではそれなりに用いられることも。
- ルース
- マニアックというほどではないが広いハンドレンジでプレイする傾向のあるプレイヤーのこと。英語だとlooseなので別に「ルーズ」と読んでも良いが「ルース」と発音することにやたらとこだわる人を見かける気がする。loseとの混同を避けるためだろうか……?
- レイザー
- (基本的には)プリフロップでレイズした人のことを指す。
- レイズ
- プリフロップで、ポストフロップの参加者を減らす(ポットを膨らませる)ためにベット額を上げる、もしくはポストフロップで相手のベットに対してさらにつり上げる行為。
- ローポケ
- ローポケットペアの略称で、スターティングハンドでポケットペアながら、その数字は小さめなハンド。基本22から77か88くらいまでを指す。
ハンドレンジ表について
※現在作成中です